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薬剤師の倫理観 その二

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薬剤師の倫理観

製薬会社や病棟で働く薬剤師の方はもちろんですが、薬局で働く薬剤師の方にも倫理観が強く求められます。
チェーン店形式の大手のドラッグストアなどは、薬の安売りをしているケースも多い。
患者さんにとっては、安い薬を入手できるということで、このような企業努力は非常にありがたいものですが。
患者さんへの薬の提供にあたっては、値段や企業の利益を考えての提供は絶対にしてはならないと思います。
薬の倫理性が高いことを考えて、薬の品位を落とすようなことだけはあってはならないのです。

また、行政機関で働く薬剤師の方にも同じように高い倫理観が求められます。
行政機関で働いていると、薬学の知識と同様に法律の知識も必要となってきます。
法律の扱いというのは実はとても難しいのです。
どういうことかといいますと、法律はその法律ができた背景などを知っておかないと適切に解釈ができないのです。
法律の表面のみを読んでいるだけでは、本当の意味で法律を扱っているとは言えないのですよね。
法律のできる過程、背景、判例などを踏まえて現在の法律が成立したり、改正されたりしているのです。
法律家というのが本当に奥深い知識が必要というのはこういうわけなのです。

例えば、非常に有名な話で薬害エイズ訴訟の問題はニュースでも
再三報道があったので薬剤師の方でなくても知っているかと思います。
この薬害エイズ問題を受けて、厚生労働省には医薬安全局が再編されました。
概要としては医薬安全局内に血液対策課が独立したり、審査課が強化されたりしたのです。
今後も様々な問題や課題を受けて、様々な医薬に関する組織は強化されたりすることもあるでしょう。
こういった行政機関で働く人間としては、法律をただ守るのみならず、もちろん守るということは大前提なのです。
ですが、法律のことをしっかりと理解し、精神まで真髄にたたきこんで職務にあたるということが求められてくると思います。
倫理観ある行政職としての職務執行を期待したいところですね。

教育機関でお仕事

また、薬剤師の方の中には教育機関でお仕事されている方もいますよね。
研究、教育の分野で働く方には、全学生の手本となるべき姿勢が必要だと思います。
もちろん、薬学生ならだれもが医療倫理に関する講義は必須単位として講義を受講していることと思います。
特に力を入れている薬学部なんかは外部講師を招いて特別授業を行っていたりもするほどです。
ただ、科学倫理に関する教育については若干置き去りにしている感があるのも否めないと思うのです。
企業の発展や実験に没頭するあまり、いつの間にか公害問題などの取り返しのつかない事態を
招いてしまうようなことがあってははらないのです。

応用化学はすばらしいものである一方、地球環境に多大なる影響を与えかねない諸刃の剣のようなものなのです。
化学は自然科学の中でも重要な位置をしめており、人々の生活にとってなくてはならない存在であることは間違いないのですが。
薬剤を扱う人間として倫理観ある実験と開発をしていかなければならないのです。
薬剤師になった後もこのような倫理観は常に保持し続けるようにしましょう。